病歴を聴取する

病歴は、いつ頃から、どんな症状や問題があるのかを確認していきます。最初から順序立てて整理する必要はなく、子どもさんや養育者の方に話したいように話してもらうのを聞きながら、少しずつ整理していきます。


最初の頃は、病歴は情報の羅列になってしまいがちですが、指導医や先輩達の書いた病歴に触れていると、徐々にどんなことに気をつければ良いのかがわかってきたりします。イメージとしては、情報というのは点で、病歴というのは、点と点を繋いだ線という感じです。点がたくさんあっても、どんな線になるかがわからないと、患者さんの歴史が浮かび上がってきませんよね。病歴は、一つの物語になるようなイメージで整理できると良いのかな、と思います。


最近は電子カルテが導入されているところが多く、キーボードで入力するため、病歴の書き直しは簡便ですが、昔(と言ってもちょっと前ですが)は紙カルテでしたので、気軽に修正もできないし、得られた情報を元にして、頭の中で病歴を整理しながら、限られた時間で紙カルテに書いていくので大変でした。でも、紙カルテの時代は、字を見ればすぐに主治医がわかりますし、字を見ると、その先生が頭の中に浮かんできて、実際の患者さんとのやりとりが浮かび上がってくるような感じがありました。今の電子カルテは、そういう個性がなくなったようにも思いますが、実際に文章にしたものを見ながら修正できる点は便利だな、と思います。


病歴には程よい容量というのがあります。病歴が長いから良い病歴、というわけでありません。長すぎると、読んでいる方も流れが追えなくなってきて、何が問題なのかがわからなくなってくることがあります。ある程度の適切な量に収まることを目標にすると良いのかな、と思います。

うめぼしの会

児童精神診療・研究に日々携わっている専門家の集まりです。心の問題を抱えた子どもや家族、彼らの支援者をサポートするために活動していきます。いまは準備段階ですが、われわれの実務経験をもとにして何ができるか考えているところです。

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