児童精神科の指導医から、「診察室で待っている時の様子も診断や治療の参考になるから、なるべく自分で患者さんを呼ぶといいよ」、と教わりました。待合室で、座って待っている時の表情や、雰囲気。さらに、「診察が終わった後、診察室から出ていく時の様子も、さりげなく見てみるといいよ」とも教わりました。診察が終わって、どんな雰囲気になっているのか・・・ どちらも、さりげなく、というところが重要です。医師が待合室の患者さんをジロジロみてたら、患者さん達も何事かと気になりますよね。さらっと、そよ風のようにやりましょう。
子どもさんが診察室内で我々の前で見せる姿というのは、その子のほんの一部なのかな、と思います。学校や家庭での振る舞いを直接みることって、ほとんどありませんが、実際の治療や支援では、そういった診察場面以外の様子が重要だったりします。でも、その様子を直接みる機会って少ないです。養育者や学校の先生、地域の支援者からお聞きするということが多いかも。もちろん、そういう形で情報は入ってきますし、何でもかんでも自分でみた方がよいという訳ではありません(現実的でもないです)。でも、”百聞は一見に如かず”ということがあります。
普段の様子、とまではいきませんが、診察室の様子だけはわからないな・・・普段どんな感じなのかな・・・と思ったときは、子どもさんと遊んでみる方法もあります。初回の診察の時に遊んでみても良いですが、最初の診察の時は子どもさんも緊張してたり(当然ですよね)、分離不安が強い子どもさんだと養育者の方と離れることが難しいことも多いので、何回か診察を重ねて、ある程度関係ができてからやると良い場合もあるようです。遊ぶ場所は診察室内でもいいですが、プレイルームなんかを使うといいかもしれません。一緒に遊んでみると、診察室内で対面で座って診察しているよりも、その子どもさんのことがよくわかります。遊びの様子をみて、診察室の印象と180度印象が変わった子どもさんもいました。遊びに様々な問題が象徴されているな、と思う子どもさんもいました。そもそも、全然遊べない、という子どもさんもいました。
遊びは子どもさんの精神療法や療育なんかでも大事ですので、普段から親しんでおくと良いかもしれませんね。
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